会社を一時休止する


休眠会社ってのは一体なんだ!
 ---存続と消滅の中間---
 利益が望めない、続ければ赤字が膨らむだけ。管理者やスタッフの事情によって事業継続が難しいなどの理由で事業活動を中止したいが将来条件が変われば又再開したい。 あるいわ、会社を閉めた方がいいのだろうが気持ちの整理がつかないとか経費がかかるのでできないなどの理由で休眠会社にする選択をする方は数多くいます。
 呼び名はよく聞くが「休眠会社」って正式な法的な状態を指すのだろうか?どういう手続きがあるのだろうか?それでは調べて行きましょう。

 休眠会社という言葉は普通使われるものと会社法や社団・財団法上の法律用語と違っています。
 法令上の休眠会社は長期間役員の改選等が放置されているものを指しますが、巷間言われる休眠会社というものは法的根拠のないものです。根拠が法的に得られないので、これが会社休眠に関する諸届だと標準的な見本を示すことができません。とても曖昧なものなので、扱いにくい分野です。 しかし休眠会社にしたい法人は結構多く、その効果も少なくないものなのでまとめてみるのは魅力的でもあります。
法人税は国税なので、税務署の休眠会社に関する見解は比較的共通のものが得られます。
一方、地方税は各自治体に対するものなので、まちまちな扱いになるのは仕方がないのでしょう。
休眠会社にした実質的な効果は、この曖昧さの多くある地方税の方で、その関心の中心は事業税の均等割りにあるのです。これを払わずに済むかどうかが一番の問題です。
それでは、私どもが集めた情報を元に以下まとめて見たいと思います。

挿絵05 休眠会社の条件
休眠会社の条件の肝心なところは、事業活動を完全に停止していることとなります。 一般的に考えて、事業活動を停止しているとは。 「 収入、支出がない」 状態でしょう。 収入がないというより収入に結びつくような活動をしていないことが肝心だろうと思います。
また活動できる体制をもっていないことも重要です。
営業スペースや電話などを確保しているようだと活動停止とは言えないでしょう。 実際の休眠会社の手続の書式や添付書類を特定しなければ、実務的な条件を云々することはできないので手続の項目を参照いただくとして。本質的には上記のようなことになります。
会社設立以後実際の活動はほとんどないまま結構年数が経ったなどは典型的なケースでしょう。

会社休眠の手続と効果
 手続き 
会社休眠は勝手に休眠しています。と思っていても意味がありません。 税務署や自治体の税務事務所に休眠会社の旨を申し出て、それを認められて初めて効果があります。
会社を休眠会社にする場合は、税務署・都道府県税事務所に休眠会社の届けをする必要があります。
休眠会社の届は本来想定されている手続ではないようです。従って休眠会社届という様式はありません。
届出の書式は、税務署や都道府県税務事務所には異動届書に休眠会社である旨を記載します。 ただし、事前に管轄に確認してからの方が無難です。
税務署や自治体は売上や所得が0ならば税金は発生しませんが、都道府県の事業税は原則的に均等割りがかかるので、特に都道府県税務事務所がポイントです。
ちなみに再開する場合も、 再開の届けをする必要があります。
 休眠会社の効果 
休眠会社を認められても、もともと消費税や事業所得にかかる税金はかからない状態ですし税務申告や役員改選にかかる登記義務など免除されないので、事業税の均等割りが必要かどうかが肝心の部分でしょう。
ここの扱いは自治体(ひょっとして担当者レベルの可能性も?)によってまちまちのようです。
当方でここ数年調査した限りでは、概ねかからないというのが実態だろうと想像しています。ということはかかる自治体もあるということです。また、最近の傾向として休眠中であってもかかる扱いに変わっているのではないかと推測される情報もあります。地方財政の逼迫も影響しているのかも知れません。
原理から考えると事業税の部分は会社が赤字でも事業活動が地域のインフラを利用する点にあるとすれば事業実態のない法人に税をかけることは無理があるでしょう。ただし、休眠会社という法的な制度がもともと想定されていないので、水掛け論になりかねないでしょうか。
税務申告については以下のようなことを記載したWEBページがありますので照会しておきます。効果として申告が簡単になるということが言えるのかどうか・・・
「 休眠中も税務申告は行う必要があります。法人税確定申告書の別表1に会社の納税地、会社名等を記載し、中央に「休業中」と大きく書いて提出すれば大丈夫です。」
さきにも言ったとおり、休眠会社という法的制度がない以上その取扱いについて確かなことは誰にも言えないと思います。休眠会社をお考えの方は、自己責任で慎重に進めて下さい。

休眠会社でも必要なこと
休眠会社届を認められても税務申告は免除されないようです。
事業を再開した場合、税務申告に中断があると青色が取り消されます。 青色が取り消されれば、青色基礎控除が受けられなくなる。また、赤字の繰越もできなくなります。
役員の任期満了にかかる改選登記も必要です。
有限会社の場合は役員任期がないので、株式会社のみ該当する項目です。 定款の定めにより最長10年まで任期が決められていますがその届を怠って放置を続けると職権で会社を閉鎖される場合もあります。

休眠会社のメリット
均等割りを納めないで済む。( 例外もあるので注意)
税務申告が比較的簡単
※ 青色の関係もあり税務署には簡単な申告書を提出し、都道府県税務事務所には特に届けなくてもいいのでは。
解散登記・清算結了に比べてコストがかからない。
会社は存在するので、いつでも営業を再開できる。

休眠会社のデメリット
法人税はゼロですが税務署に法人税の申告をする義務はある。もともと税金ゼロですから、提出しなくても罰金はないですが青色申告等は取り消されます。
場合によっては、事業税の均等割の支払義務も可能性がある。


挿絵01

クライアントの相談事例や休眠会社に関するその他情報
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 以下に当方で実際解散登記を受託したクライアントの生の声を掲載しておきます。
また、新たな事例や自治体や税務署からの情報があれば順次掲載を考えております。
 そこで、このサイトをご覧いただいた方で、情報をお持ちの方やその他の質問がある方は連絡をいただけると幸いです。
いただいた情報はご了解をいただいた案件につき順次このサイトにアップしていければと思いますのでよろしくお願いします。
連絡先 メールアドレス soumu110@nifty.com
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 聞き込み情報 
都内A区
会社設立後約1年
平成23年3月3日 設立
事業実態のないまま、24年2月に都内A区に休眠会社届を出した。その時、職員が住民税の均等割りは必要と言われた。決算申告をしないままにしていたところ、住民税の均等割り7万円の納付書が送付され、支払ったとのこと。( 電話受理 平成24年4月12日 )

 聞き込み情報 
都内T区
当サイトのスタッフが実際担当から聞いた情報
均等割については、申告頂いた資料の中身を確認して、事業実態がまったくないことを確認できれば、課金しない。
そして、その判断は毎年申告書を確認してその都度判断している。


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